') ?> まつきあゆむ -ヘッドフォンリスナーズサイクリングクラブ-: ライブを止める事についての所信表明

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2009年04月11日

●ライブを止める事についての所信表明

まつきあゆむはライブ活動から遠ざかります。
何度もこのことについて考えました。説明を求められたときに何度も上手く言えなかったです。


僕のライブが無くなる事を少なからず残念がってくれる人たちに対しては本当に悪いなあと思ってます。そしてなるべく誠実に、説明したいと思っています。

「そういう人たちのためにもこれからライブをがんばっていこうぜ!」という判断はあまりに体育会すぎ、無防備すぎて、結局不真面目なように思えるのでしたくないです。


結果だけ聞くと伝わりづらい発表だと思うので僕の思いや理由をなんとか言葉にしてここに残しておきたいと思います。


まず第一に、自分が思い描いている「音楽」というものに対して騙し騙しライブ演奏をしていくのはいろんな部分が成り立たないんです。
これは僕がやりたい音楽の種類が(特別だとは思いませんが)少し特殊だからかもしれません。バンドだったら違うかもしれないです。

「僕が表現したい音楽」をライブで提示するには、多くの物が足りないと思っています。
自分の音楽の形を変えて、なんとかライブハウスで形にして行く事はやろうと思えばこれからもできます。月に何回か、今まで通り。
現在多くの日本中しいては世界中のバンドがやっているライブの方法のフォーマットに沿って自分の形を変えればそれは簡単です。

ただ、その音楽は多くの嘘や矛盾を抱えなければならなかったんです。
誰のせいか、なんのせいかはわかりません。
今は誰かのせいにしてはいけない事なのかも、と思っています。
伝えたい事や鳴らしたい音はそれに巻き込まれてたくさん減ってしまいます。


そういう事を感じていて、去年暮れからそれと戦っているつもりでしたが(そして動画配信したライブパーティー等それなりの成果が出せた気がしています)、やはり立ち止まって考えたときに、「音を録音して音楽を作り出す」事の方が今は自分にとって大事に思えてきました。
現にMyspaceの「新曲の嵐」にはいまだに毎週かなりのやりがいを感じています。


ライブにしか存在しない高揚感があるように、録音されたトラックにしか見せられない広大な地平も広がっています。
どちらも音楽です。


だから本当に自分がやりたい事の純度が高い方を届けたいと思っただけなんです。


なので、僕の気持ちは前より外を向いているんだと思います。
気持ちが内を向いているからライブを止めるとか、そういう話とは全く別の話なのです。


また、録音した自分の納得のいく音楽を作る一方で、どうすれば同じような純度でライブをできるかも研究しようとも思っています。
あきらめるのは悔しいし。


例えば僕は、ステージにこどもやおとなの10〜20人の集団でライブをしたら自分のやりたい事ができるのでは、と思っていたりします。彼ら全てがまつきあゆむ、という風な。
それを実現するにはどういう事をすればいいか、を本気で考えています。もしそれが一回でも実現すれば、100回のいままでのライブよりとても特別な演奏になると思います。そういうライブの仕方にシフトする、という事が正しいかもしれません。
正直な話全くめどは経ってないですが。
でも僕にはそれを実現するために話をきいてくれる人も何人かいるし、その考えがまるで馬鹿げている夢物語とも思っていません。


たまーにふらっとどこかに弾き語りにいくのも、悪くないと実は思っています。
とにかく、自分のしたい音楽への純度が高ければ何でも良いと思うんです。
それを納得いかない程下げてなにかをするのはもう止めにするんです。


発表する事は人一倍好きですから、いままでにまして素晴らしい音楽を届けようと思います。方法論は無限です。


と、いうことだと思います。

2009年4月、京都から東京への車上にて